コラム - 遵法性調査(2)-用途変更・増改築を行う際の注意点について-

 今回は、既存建物に対する用途変更・増改築を行う際の注意点についてご説明します。

■用途変更・増改築を行う前に

 用途変更・増改築を行う場合、既存建物が違法建築物なのか、既存不適格建築物なのか事前に確認することが重要です。違法建築物であれば、違法部分について特定行政庁に確認し、是正等の対応方法について判断を仰ぐ必要があります。
 既存不適格建築物であれば、用途変更・増改築の確認申請時に、現行法に適合していないが既存不適格であることを「既存不適格調書」にて報告することで、確認済証の交付を受けることができる場合があります。


 ビューローベリタスでは、建築基準関係規定について既存建物の遵法性調査を行い、違反建築物なのか、既存不適格建物なのかご報告させていただく「遵法性調査」サービスを提供させていただいております。

既存建物の遵法性確認

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 ここで、「既存建物が検査済証取得後の変更により法適合しなくなった事例」をご紹介いたします。

既存建物が確認申請取得後の変更により法適合しなくなった事例

事例条項内容
用途変更 建築基準法 法48条 用途地域ごとに定められた、"建築可能な用途"以外の用途に変更されている。
施行令第121条 用途変更により、2以上の直通階段の設置が求められるが、直通階段が1ヵ所しか設置されていない。
施行令第126条の2

"排煙設備の設置"が必要となるが設置されていない。

消防法 地域の火災予防条例 テナントが変更した場合、工事を伴う用途変更だけではなく、工事を伴わない場合であっても、防火対象物であれば"防火対象物の使用開始の届出"が必要だが、届出が行なわれていない。
増築 建築基準法 法2条及び第64条 増築により、新たに"延焼の恐れのある部分"が発生するが、"延焼の恐れのある部分"の係る範囲内に設置された開口部が防火設備となっていない。
法6条 物置などの設置により、増築確認申請の対象となるが、確認申請手続きが行なわれていない。
法52条、法53条

増築により、容積率、建ペイ率がオーバーしている。

法56条 道路斜線緩和適用のための"道路後退距離"の範囲内に増築が行なわれ、"道路後退距離"が短くなったため、道路斜線に適合しない状態となっている場合がある。

■用途変更・増改築を行う場合

用途変更・増改築を行う場合、次の2種類の流れに大別されます。

① 確認申請を伴う用途変更・増改築等
② 手続き不要な用途変更



①確認申請を伴う用途変更・増改築等

 既存建物の用途変更や増改築を行なう場合下記に示す場合に確認申請手続きが必要となります。

1. 建築基準法第87条   :100㎡を超える特殊建築物への「用途変更」の場合
2. 建築基準法第6条2項  :防火地域・準防火地域内又は10㎡を超える「増築」の場合
3. 建築基準法第6条   :大規模な「修繕」や「模様替え」を行なう場合

 確認申請を要する用途変更・増改築等については、建築主事又は指定確認検査機関の審査により確認申請対象建物の適法性が確認されることとなります。

確認申請が必要な用途変更・増改築の場合

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②手続き不要な用途変更

 建築基準法第8条により、「建築物は適法に維持管理するよう努めなければならない」と定められており、確認申請の対象とならない用途変更の場合でも、用途変更内容が適法なものでなければなりません。
 しかし、法チェックの見落しや法解釈の勘違いなどにより、適法でない部分を生じさせてしまうケースが見受けられます。確認申請の対象とならない用途変更でも建築基準関係規定に適合していること確認し作業を進めることが重要です。

 ビューローベリタスでは、確認申請の対象とならない用途変更を行う際の、机上による法適合性確認業務として、"遵法性調査"業務を提供させていただいております。



確認申請を要しない用途変更の場合

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確認申請を要しない用途変更に対し、"遵法性調査"により適合性を確認した事例

事例条項内容
用途変更 建築基準法 施行令第129条 間仕切り変更により、必要排煙面積が拡大したが、既存の開口面積では、必要排煙面積をカバーすることができなかった。 "避難安全検証法"により、排煙設備の設置緩和の適用を行なった。 その際、避難安全検証法の検討内容に問題点がないか、"遵法性調査"により内容確認を行なった。
改修 法第20条 確認申請の対象とならない用途変更であったが、新たな什器の設置により床荷重が増加することが確認された。 計画内容における実床荷重を算出し、構造計算上問題がないか検討を行なった。 その際、"構造計算書に対する遵法性調査(構造計算書妥当性監査)"により構造計算書の内容確認を行なった。

 確認申請行為の有無に係らず、既存建物に対する用途変更や増築により、法適合しない状況となれば、建物利用者に対する災害時の避難や火災の延焼拡大などのリスクの増大にも繋がります。 
 将来的に用途変更や増築の確認申請をスムーズに行なうためにも、既存建物を適法な状態で維持することが重要です。

 ビューローベリタスでは建築基準法・消防法を基準とし、建物の現状を確認し、問題点や改善すべき点についてご報告するサービスとして「遵法性調査」を提供しております。既存建物についてお悩みの点がございましたら、ぜひご相談ください。

 ビューローベリタスでは、上記「遵法性調査」以外にも、さまざまなサービスを提供しています。詳しい内容は、トップページからご覧ください。