コラム - LEED(3)- Neighborhood Development(街区)の評価について

今回はLEEDのさまざまな評価システムのうち、日本ではまだよく知られていないNeighborhood Development(街区、以下"ND")の評価システムをご紹介します。

本コラムでは前回までLEEDの概要を説明しています。
LEED(1)-グリーンビルディングへの取り組みを評価する世界共通の認証制度
LEED(2)- 普及の背景とLEED v4が目指すもの

LEED "ND"の評価カテゴリー

  1. SLL(Smart Location & Linkage)は、生態系と農地確保などの周辺環境への影響と、当該地区が高密度かつ利便性の高い開発エリアかどうかを評価します。
  2. NPD(Neighborhood Pattern & Design)は、近隣との密接度、自動車利用の低減、利便性の高さを評価するシステムです。
  3. GID(Green Infrastructure & Design)は、プロジェクトに関わる建物やインフラの工事、運用によって生じるエネルギー・資源を削減する取り組みを評価します。

 上記の3つの評価システムから"ND"の評価項目の特徴を最もよく示す2.NPDを取り上げ、その中の加点項目であるConnected & Open Communityを解説します。評価項目の詳細の拠り所として"LEED Reference Guide"を参照しています。 

Connected & Open Communityの目的

  1. プロジェクト内外に接続性(*)の高い道路が通る既存コミュニティ圏の開発を奨励します。これにより、開発する土地を節約し、複数の輸送方法(電車・バスなど)間の連携を促進します。
  2. 日々の身体活動を奨励し自動車の排出ガスを削減。これにより公衆衛生を改善します。

(*)接続性について
 住民がある目的地に向かう時、交通手段を最大限に活用できるコミュニティ内のアクセシビリティの質を「接続性」と呼びます。接続性の測定基準は、歩行と自転車などの複合的な移動手段の増加と密接に関連しています。したがって、接続密度は交差点密度で測定することになります。
 短いブロックと頻繁な交差点の使用によりプロジェクトを設計すると、ウォーキングとサイクリングがより魅力的になります。また、車両からのCO2排出を削減できます。
 さらに、接続されたネットワークは交通渋滞時に指定した目的地へのルートオプションを増やし、その結果移動時間を短縮します。
 プロジェクトから周辺地域への接続が頻繁になれば、住民が周辺地域でのサービスやアメニティを便利に利用できるようになります。
 プロジェクトを可能な限り周辺の街路網に統合すれば、プロジェクトサイト付近に未開発の土地を放置するよりも、より効率的に市街地空間を利用することができます。

Connected & Open Communityの要求項目

 プロジェクト内部の交差点が〈図1〉に示す範囲の一つに収まるようにプロジェクトを配置または設計します。仮にプロジェクトに内部道路がない場合は、プロジェクトの境界から1/4マイル(400メートル)以内の交差点を使用する必要があります〈図2〉。
 本評価項目の加点は下記の通りです。

1.平方マイルあたりの交差点:300~400(平方キロメートルあたりの交差点:116~154)
  この条件を満たす時、1点が加点されます。
2.平方マイルあたりの交差点:401以上(平方キロメートルあたりの交差点:155以上)
  この条件を満たせば、2点が加点されます。

上記の他に、下記の条件も満たす必要があります。

  • ・道路は、ゲートをなくして常に公開されていること。
  • ・ゲートのある道からのアクセスはプロジェクト内の10パーセントのエリアに限定すること。
  • ・教育、医療、軍事関連施設を除く一部の用途にはゲートを認めること。

leed3_2.jpg〈図1〉プロジェクト内に道路がある場合の交差点数

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〈図2〉プロジェクト内に道路がない場合の交差点数

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