コラム - LEED(4)-水の取組み Water Efficiency (WE)の評価について

本コラムではシリーズでLEEDについて説明しています。
今回はLEEDのさまざまな評価システムのうち、水の取組みの評価についてご紹介します。

LEED(1)- グリーンビルディングへの取り組みを評価する世界共通の認証制度
LEED(2)- 普及の背景とLEED v4が目指すもの
LEED(3)- Neighborhood Development(街区)の評価について

米国の水事情

配管設備には節水(水効率)の基準があり、この基準を目安として住居や企業の屋内での水使用を削減しています。この基準では、大小便を1回流す際の水量や蛇口やシャワーの1分当たりの水量に最大値を決めています。米国ではトイレ1回につき、また蛇口・シャワー1分につき、水量や水流の速さをガロンという単位で表記しています。

設備製造業者は、性能を損ねることなく目標値を満たす節水基準が課せられます。水道配管設備の販売業者や工事業者にも適用されます。すでに9つの州で独自の基準が設けられています。他の州では、効率の良い設備を普及させるために公共施設向けに助成金活用や地域計画、水資源保護に取り組んでいます。

節水基準を最初に法的に制定したのは1989年のコネチカット州でした。1992年、連邦政府は「米国エネルギー政策法(Energy Policy Act of 1992:EPAct 1992)」を制定しました。この法律によって、1994年以降に製造された便器、シャワーヘッド、蛇口などには節水最大量の基準が適用されることになりました。

LEED WE構成

WEの評価項目は評価システムにより異なりますが、必須項目では最大3つ、加点項目は最大で4つです。最高得点は新築建物全体で11点、既存建物およびインテリアで12点。エネルギーなどのカテゴリーより少ないですが、器具の制約などがあるため、クリアするのは容易ではありません。

必須項目には屋内外の水削減や水使用総量の計測が含まれます。加点項目の対象は、水削減量の大きさ、使用量の詳細測定、クーリングタワー補給水削減量などです。

LEEDの基準

米国の水事情を踏まえて、LEEDの節水基準は、前述のEPAct1992の基準をベースにしています。基準となる評価項目をクリアするためには、計画建物が基準に対して合計で20%以上の削減をしなければなりません。現在運用されているV4からは更に、器具(大便器・小便器・洗面台・シャワーヘッド)をWater Sense(*1)ラベルのもの、もしくは同等品を使用する必要があります。

端的に言えば、水の使用量は器具で定められた流量、建物利用者数、利用者属性に応じた利用頻度から算出されます。建物利用者数は利用時間を考慮して数値化されています。

トイレやシャワーなど水を多く使用する器具が設定基準を下回らないかぎり、全体の水の使用量を減らすことはできません。この理由から、国内のトイレメーカーには対応商品を開発するところが出てきています。

ちなみに、下記の表では国内の比較的厳しいエコマーク認定基準とLEEDの比較をしています。LEEDの基準が厳しく設定されていることがご理解いただけるはずです。

V4以前は、小流量で洗浄できる自動水栓などを利用すれば基準を満たすことができました。しかし、V4では想定の節水効果が得られないと判断され、基準から除外されました。基準をクリアするには、基準より少ない器具を設計時点で採用することが重要になるわけです。

(*1) Water Sense:製品に特別なラベルを使用して米国の水効率を奨励するために設計された米国環境保護局(EPA)プログラムです。

【表】ベースライン(基準)(*2)

商用水洗器具LEED基準の水量エコマーク認定基準
大便器 6リットル/回 6.5リットル/回
小便器 3.8リットル/回 2.5リットル/回(自動洗浄付き小便器)
手洗い水洗 1.9リットル/分(水圧0.415MPa)(*3) 流量調節のしやすい機構があること。例えば多段式(*4)
住宅用水洗器具
大便器 6リットル/回 6.5リットル/回
洗面台水洗 8.3リットル/分(水圧0.415MPa) 流量調節のしやすい機構(たとえば多段式など)
キッチン水洗 8.3リットル/分(水圧0.415MPa)
シャワー 9.5リットル/分(水圧0.55MPa)

(*2) USGBC、エコマーク事務局の資料を元に弊社で作成したもの。
(*3) 日本の水圧は理想が0.2~0.39Mpa(2~4kgf/cm2)程度。
(*4) 多段式:流量の調節を高・中・低のように段階式にできるしくみ。

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