コラム - WELL認証について

1990年代から派生した世界的な建築物の省エネルギー化は、あらためてここで紹介するまでもなく各国の政策が後押ししてかなり浸透してきました。5年前にWELLが発表されて以来、かなりのスピードで建物の持続性から企業・人の持続性へと焦点が移行してきています。 CASBEEでも今後健康に対する評価システムが発表される予定との情報があり、日本においても健康への注目度がさらに増すとみられています。 これまでの建築環境認証の中心は建設・不動産関連企業でしたが、SDGs(持続可能な開発目標) のように地球規模での生物・環境・社会等についての世界的な取り組みが活発化する現在、あらゆる企業において従業員や顧客への健康環境を提供する姿勢が問われ始めています。

1. WELL とは

平均すると、人は一日のうち90%、約21時間を屋内で過ごしています。したがって、建物が健康に良い環境かどうかは利用する人にとってきわめて重要です。WELLは建物の環境・エネルギー性能と利用者の健康・快適性を評価する世界初のシステムです。
特に居住者の身体にかかわる評価ポイントについては、環境工学の観点のみならず、医学の見地からも検証が加えられており、健康志向、生産性向上、さらには離職率の低下に寄与するなどの取得メリットがあると言われています。

2. 成り立ち

WELL

2013年、Delos®によって公益法人IWBI (International WELL Building Institute™)が設立されました。7年間の研究開発を経て、2014年10月に評価システム"WELL Building Standard™" (略称"WELL")のv1 が正式に公開されました。2018年5月31日には試験的なWELL v2 pilotが公開されています。

3. WELLのコンセプトと取り組み

空気・水・栄養・光・フィットネス・快適性・こころを介して人間の健康と幸福に影響を与える要因を測定し、またパフォーマンス向上の取り組みを評価するのがWELLの基本コンセプトです。 設計図面での評価に加え、検査員が現場に赴いて検証し、コンセプトに沿ったサンプリングをして評価する取り組みを行います。

WELLの基本コンセプト

図:INTERNATIONAL WELL BUILDING INSTITUTE「WELL Presentation」を一部引用し、当社で加工

4. WELLの普及状況

世界全体では合計763件の登録と認証が行われています。うち認証数は116件、プレ認証数は100件を数えています(2018年9月7日現在)。日本では大林組研究所のGOLD認証が1件、プレ認証が2件、その他の登録数が6件、合計で9件となっています。 国別のプロジェクト数(登録と認証数の合計)で見ると、米国の332件を筆頭に、中国217件、フランス64件、オーストラリア62件、オランダ49件が上位5ヵ国です。日本は35ヵ国中、インド・イタリア・ハンガリーと並んで13位です。