Image
環境認証

CASBEEファミリーの年度動向-令和元年度CASBEE評価認証機関等連絡会議要約

2020-04-10

はじめに

総合的建築物環境認証の一つ”CASBEE”を運営管理する一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(通称IBEC)が、毎年年度末に評価機関向けに開催する連絡会に参加しました。従来のCASBEEファミリーの年度動向はもちろん、注目度の高いCASBEE-ウェルネスオフィス評価認証*の最新情報が明らかになったので、要約して報告いたします。

*《CASBEE-ウェルネスオフィス評価認証》はCASBEEの新しい認証ツールです。
建物の仕様・性能・取り組みが、建物利用者の健康と快適性の維持・増進をサポートすることはきわめて重要であり、本ツールはそのサポートの状況を評価します。さらに、オフィスで働く人々の健康と快適性に直接的に影響を及ぼす要素、知的生産性の向上に資する要因、安全・安心に関する性能も評価の対象としています。

内容

1. CASBEE認証物件数 2019年度暫定実績(2019年12月末現在)

  1. CASBEE建築認証:21件(2018年度24件)
  2. CASBEE戸建認証:42件(2018年度52件)
  3. CASBEE不動産認証:51件(2018年度98件)

※2020年1~3月期は、ビューローベリタスでも多くの審査を手掛けており、最終的な上記物件数はさらに増える見通しです。

図1 年度別認証件数推移(CASBEE認証機関等連絡会議資料を基に弊社作成) 年度別認証件数推移

図2 年度累計認証件数推移(出典:CASBEE認証機関等連絡会議資料2) 年度累計認証件数推移

2. CASBEEファミリーの開発状況

各評価ツールにはSDGs評価などが加わり、2020年度後期に改訂版が公表される予定です。

(1) CASBEE建築認証

  • CASBEE建築(既存)については、室内環境実測項目、エネルギー実績値評価などの評価方法が簡素化されます。
  • CASBEE建築(既存)は、CASBEE建築(新築)で評価した建築物に対して評価が可能です。これを除く他の既存建物はCASBEE不動産で評価されます。

(2) CASBEE戸建認証

  • 住宅性能表示基準(既存)を踏まえて基準が改訂されます。

(3) CASBEE不動産認証

  • これまでの対象用途は、オフィス・物販店舗・物流施設の3つでした。これに集合住宅が加わります。
  • 改修直後(1年未満)の物件に対する評価方法が追加されます。

3. CASBEEウェルネスオフィスについて

(1) 認証機関における認証業務について

認証機関の認定は2020年度中に行われ、2021年度から希望の認証機関において認証業務が開始できる予定です。

(2) 評価員講習について

CASBEEウェルネスオフィス認証の実施にあたっては、一定の技術的能力を有する人材が的確な評価・認証を行う必要があります。この技術者を対象とした評価員養成の講習・試験が、2020年度冬期に実施される運びです。
具体的な開催スケジュールは、2020年度の夏期にIBECのウェブサイトで公表の予定です。

まとめ

IBEC主催の2019年度CASBEE評価認証機関等連絡会への参加を通じて、認証物件数や各評価ツールの開発状況、CASBEEウェルネスオフィスの今後についての情報を得ることができました。本ニュースレターではその情報の要約をレポートしました。
SDGs活動の一環として、CASBEEをはじめとした環境認証は建設不動産業界のみならず、多業種の企業からも認知されてきています。今後も認証件数は増えていく見通しです。ビューローベリタスは皆様のSDGs活動を支援し続けます。

技術監査事業部 玉川 冬紀

 


【お問い合わせ】
ビューローベリタスジャパン(株) 技術監査事業部
東京新橋事務所 TEL:03-6402-5977
お問い合わせフォーム

【ビューローベリタスのサービス】
CASBEE評価認証