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図面

「遵法性調査」の活用事例

1.遵法性調査はなぜ必要か

「遵法性調査」とは、対象とする建物が建築基準法などの関連法規に適合しているかどうかを確認する調査です。
なぜ遵法性調査が必要なのでしょうか。
多くの建物は、竣工当時は適法な状態であったとしても、長い年月を経ていくなかで、模様替えや間仕切変更、増改築等が行われたり、所有者が変わり用途変更が行われたりします。
その過程で、本来必要であった確認申請手続きがなされなかったり、法に適合した形での増改築等が行われていない場合があります。利便性を良くするため行なった増改築等が、意図せず法に適合しない状態になっていることもあります。

遵法性調査の目的

 

2.遵法性が確保されていない建物のリスク

法に適合していない建物は、大きく3つのリスクを抱えています。

① 建物利用者に対するリスク

法が求める安全性を確保していない場合、利用者の健康を損なったり、災害時の避難を妨げる危険があります。利用者に対する安全の確保は、建物の所有者・運営者の責務です。昨今はステークホルダーに対して負うべき責任として、建物の違法状態等のリスクを把握する必要性が非常に高まっています。

② 用途変更・増改築に伴うリスク

法に適合していない建物は、確認申請が必要な用途変更や増改築を行おうとした場合にそのまま計画を進めることができません。法律上、違法な部分について法適合させることを求められるからです。

③ 不動産売買時のリスク

法適合していない建物の売買では、売り手は重要事項説明書で違法建築であることを伝える必要が生じ、不動産価格を低く見積もられる可能性があります。買い手は、法に適合していない建物を入手すると、使用する際に法適合化が求められます。「用途変更・増改築に伴うリスク」の場合もそうですが、労力とコストによっては事業計画に大きな影響が及びます。

以上のようなリスクを避けるためには、所有する建物や購入予定の建物について遵法性を確認しておくことが大切です。建物の売買を計画している方はもちろん、建物の所有者で増改築や用途変更を計画している方や、コンプライアンス上、所有する建物の法適合性を確認したいと考えている方にとって、遵法性調査が役に立ちます。

3.遵法性調査を行うメリット

  • 現状、建物の遵法性が確保されているかどうか、調査項目毎に把握することが可能で、遵法化工事計画や将来の増改築計画へのフィードバックなど健全な施設の維持管理につながります。
  • 避難経路や防火区画などの項目を中心とした調査により、工場労働者への安全性の確保につながります。

4.遵法性調査の活用事例

遵法性調査結果により、施設管理者の建物の遵法性確保の重要性に対する意識を高め、建物の遵法化計画策定に利用された例をご紹介します。

遵法性調査の活用事例

 

遵法性調査は、既存建築物を有効に活用する手段として利用されています。増改築や用途変更等を計画する際に、建物の現状の法適合状況を把握するためや、上記の活用事例のように、コンプライアンス遵守、および従業員の安全確保を目的としても活用されています。
ビューローベリタスは、お客様のプロジェクトが円滑に進むよう、遵法性調査でサポートいたします。

建築都市基盤事業グループ 技術監査事業部 技術監査部 建築評価グループ  鹿野 康晴

 


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