今回のコラムでは、建物施工 品質監査(QATA = Quality Assistance Technical Audit)サービスについてご説明します。
■足りない技能労働者と施工不良の発生
2010年の国勢調査では、建設業就業者447万人のうち、技能労働者は266万人で、全体の約6割を占めていました。2011年度以降、建設業就業者の高齢化が進むなかで、全国的に技能労働者の不足状態が続いています。なかでも型枠大工と鉄筋作業従事者は不足しており、とくに型枠大工は高齢者の比重が高いため、今後彼らが退職することで、急減の可能性があります。
建設業を取り巻く厳しい環境のなかで、就業者の高齢化に加えて、技能労働者不足による人件費の高騰も進んでおり、適正な施工を確保できない状況を招いています。このような背景から、施工ミスや施工不良などにより、建築物に問題が発生するケースがあとを絶ちません。
■品質監査サービスの役割
ビューローベリタスの品質監査(QATA = Quality Assistance Technical Audit)は、建築工事の過程において、品質管理が確実に実行されているか、第三者の立場で確認作業を行うサービスです。
専門の教育を受けた監査員が、施工者・監理者とは別の視点から、あらかじめ定められた品質管理の実施状況を監査(Audit)し報告します。
これにより工事の発注者(本業務の依頼者)は、発注者が承認した品質計画にそって建築工事が実施されたかどうか確認できます。
■品質監査サービスの内容
各工事工程(杭工事、配筋工事、溶接工事、スリット設置工事、コンクリート工事、断熱材工事、防水工事、タイル工事など)において、監査対象図書をもとに、品質を確保するための施工がされているかの監査を実施します。
監査対象図書は次のものです。
・図書(確認申請書、設計図書、施工図など)
・計画書(工事監理計画書、施工計画書など)
・監査対象実施要領(施工要領書)
・監査対象記録(施工写真、施工状況報告書、施工結果報告書、ミルシート、試験結果報告書など)
品質監査サービスは、机上監査と現場監査を行ないます。
・机上監査(施工計画書および施工要領書の承認履歴の確認、施工状況報告書および施工結果報告書と施工基準との整合確認)
・現場監査(監査対象図書と現地の整合確認)
図2 監査の流れ/鉄筋工事(例)
品質監査サービスは、発注者の要求にあわせて、調査内容をカスタマイズできます。監査内容や監査箇所等により金額は変動します。御見積書を作成しますので、お気軽にご相談ください。