前回に引き続き、現地調査で確認された法不適合の事例について、増築等により法不適合になったケースをご紹介します。
建物(駐輪場)の設置によるもの
後退緩和適用範囲内に、確認申請図書に記載の無い建物(駐輪場)を設置したため、法不適合となった事例です。
(1)手続き上の法不適合(建築基準法第6条、第6条の2)
敷地が防火地域に該当するので、建築物を増築する場合は確認申請を行なう必要があった。しかし、その手続きが行われていないため、手続き上、法不適合な状態になっていた。
(2)高さ制限に対する法不適合(建築基準法第56条第2項)
確認申請で道路斜線に対する道路境界後退緩和の適用を受けていた。しかし、道路境界線からの後退距離の中に新たな建築物を設置したため、後退緩和が適用されなくなり、建物高さが道路高さ制限に適合しない状況になっていた。
間仕切壁などの設置によるもの
確認申請図書に記載のない間仕切壁を設置したため、法不適合となった事例です。
(1)必要排煙面積が不適合(建築基準法第35条、建築基準施行令第126条の2)
確認申請で自然排煙となっている階に、間仕切壁を設置したため、必要排煙面積が確保できなくなり、法不適合な状態になっていた。
(2)非常用照明装置の不備(建築基準法第35条、建築基準施行令第126条の4)
間仕切壁の設置に伴い、廊下を設置し、倉庫(非居室)を会議室(居室)に用途変更していた。廊下と会議室(居室)には非常用照明装置の設置が義務だが、設置されていないため、法不適合な状態になっていた。