防火区画免除願いの対象工場における遵法性調査事例

調査対象建物

検査済証交付時

検査済証交付時
確認申請済証交付日 1995年6月1日
検査済証交付日 1996年2月1日
延べ床面積 2,400㎡
構造 準耐火構造
階数 1階
用途 工場

調査対象建物は、確認申請の際、防火区画について用途上やむを得ない理由があったため、建築基準法施行令第112条ただし書きによる「防火区画免除願い」の書面が提出されていました。
「防火区画免除願い」には、“工場内に製品製作のためのベルトコンベヤーを設置する必要がある。防火区画壁の設置によりベルトコンベヤーの設置が行えないため、防火区画壁設置について免除することをお願いしたい。”との記載がされていました。

現地調査時 建物使用状況

現地調査時 建物使用状況

2001年6月に下記内容の関連業者用の事務所用建物が既存工場内に設置されていました。また、プレハブ2階建て事務所の設置についての確認済証の交付は確認できませんでした。

延べ床面積 800㎡
構造 プレハブ構造
階数 2階
用途 事務所

指摘事項

1)調査対象建物には、検査済証取得後に「防火区画免除願い」の対象となる部分のベルトコンベヤーが一部撤去され、プレハブ構造の2階建て建物が設置されていました。その結果、「防火区画免除願い」に記載された内容と異なる工場の利用状況となっており、引き続き防火区画を行わなくてよいか、特定行政庁に確認が必要となる旨の指摘をしました。

2)「増築について確認済証が確認できなかった」旨も指摘事項となりました。

ポイント

検査済証取得時からの建物使用状況の変更により、防火区画免除の理由がなく、防火区画について不適合な状態となる場合があります。建物の使用状況を変更する際には注意が必要です。

遵法性調査とは

既存建物を建築基準法などの法令やお客様の指定した法令に照らし合わせて適合性を調査する業務です。
企業に求められるコンプライアンスの内容は、建設時や既存建物売買・状況確認時、また労働安全への取り組み時において高度かつ多岐にわたっています。これら全内容を企業が独自に実践するのは容易ではありません。ビューローベリタスは第三者の立場からコンプライアンスに関する基準と実際の運用状況とのギャップを調査し、企業の経営リスクの低減に寄与しています。

現状の建物の法適合性を確認されたい場合は、遵法性調査の依頼をご検討ください。

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