防火区画貫通処理の不備事例

遵法性調査とは、既存建物を建築基準法などの法令やお客様の指定した法令に照らし合わせて適合性を調査する業務です。

企業に求められるコンプライアンスの内容は、建設時や既存建物売買・状況確認時、また労働安全への取り組み時において高度かつ多岐にわたっています。これら全内容を企業が独自に実践するのは容易ではありません。ビューローベリタスは第三者の立場からコンプライアンスに関する基準と実際の運用状況とのギャップを調査し、企業の経営リスクの低減に寄与しています。

「建物の適合状況を把握し今後の改善の資料としたい」という、あるビル所有者様からの依頼に基づいてビューローベリタスが実施した遵法性調査の事例を紹介します。

  • 【調査対象】事務所
  • 【経  緯】調査対象建物は階数が5以上で延べ床面積が5,000㎡を超えており、防火区画が必要となる建物であった。

調査対象建物の概要

  • ・確認申請済証交付日:2016年6月15日
  • ・検査済証交付日:2017年3月20日
  • ・延べ床面積:15,000㎡
  • ・構造:耐火構造
  • ・階数:8階
  • ・用途:1階、2~8階事務所
  • ※調査対象建物にはスプリンクラーなどの自動式消火設備は設置されていない。

調査結果

パイプスペース(PS)およびダクトスペース(DS)には各階で防火区画壁(面積区画)が設けられていたが、壁を貫通する配管の貫通処理方法が法令に適合しない状態であることが確認された。

防火区画を貫通する配管の両側1メートル以内が不燃材料となっておらず、貫通部分も大臣認定を受けた工法で施工されていない

指摘内容1

防火区画を貫通する配管の両側1メートル以内が不燃材料となっておらず、貫通部分も大臣認定を受けた工法で施工されていない

防火区画を貫通する部分の隙間処理が行われていない

指摘内容2

防火区画を貫通する部分の隙間処理が行われていない

ポイント

給水管や排水管等を防火区画壁もしくは床に貫通させる際、その処理方法の不備が指摘されます。遵法性調査では比較的頻度の高い項目です。
かなり重要なポイントですので、給水管と排水管等の防火区画貫通処理について、下記の「対応方法の具体例」で確認しておきます。

法的根拠

防火区画については以下のとおり規定されています。

  • ・防火区画を貫通する管と区画部分の隙間処理について
      建築基準法施行令第112条第14項
  • ・防火区画を貫通する管の構造について
      建築基準法施行令第129条の二の五第1項七号

対応方法の具体例

給排水管等の防火区画等の貫通について対応方法の例をご紹介します。

  • ■貫通部分および両側1メートル以内を不燃材料とすること(これを遵守すれば、そこから先の配管には不燃材料以外の材料を使うことができる)。
  • ■ 難燃材料や硬質塩化ビニル製の管は、その外径が用途・材質などに応じて法令(平12建告第1422号)が規定する数値未満であること(排水管および排水管に附属する通気管を0.5ミリ以上の厚さの鉄板で覆うことで、管の肉厚によっては、覆いのない場合に比べ、外径の大きい管が使用できる)
  • ■ 国土交通大臣の認定を受けた工法を用いること(代表的なものは下記のとおり)
    1. ①耐火二層管による工法: 繊維混入セメントモルタル被覆合成樹脂管(耐火二層管)を配管材料として、防火区画貫通部の隙間にモルタル等を充填する。
    2. ②熱膨張シート巻き工法: 配管に熱膨張シートを巻き付け、防火区画壁(床)と熱膨張シートの隙間にモルタル等を充填する。
    3. ③熱膨張材を内蔵する排水用鋳鉄製継手による工法: 防火区画床を貫通する排水管の床部分に熱膨張材を内蔵する排水用鋳鉄製継手を設置し、隙間にモルタル等を充填する。

ビューローベリタスのサービス

ご紹介した事例やその他関連する事例について、ビューローベリタスでは「遵法性調査」サービスを提供しています。
具体的には、建築基準法・消防法を基準として建物の現状を精査し、問題点や改善すべき点について調査結果を報告します。現状の建物の法適合性を確認されたい場合は、遵法性調査の依頼をご検討ください。

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