ピロティの解放条件

床面積に算入されないピロティ

ピロティの床面積の算定について、「昭和61年の通達(昭61住指発115)」では「ピロティ等で、壁、扉、柱等を有しない場合には、床面積に算入するかどうかは、当該部分が居住、執務、作業、集会、娯楽、物品の保管又は格納その他の屋内的用途に供する部分であるかどうかにより判断するものとする。ピロティは十分に外気に解放され、かつ、屋内的用途に供しない部分は床面積に算入しない。」と定めています。

事務連絡として国土交通省が発出した「令和5年3月13日 ピロティに係る建築基準法上の床面積の取り扱いについて」では、「建築物の床面積の算定にあたり、十分に外気に開放され、かつ、屋内的用途に供しないピロティについては、床面積に算入しないものとする。なお、ピロティが屋内的用途に供するか否かについては、想定される使用状況など、個々の計画内容に応じて適切に判断すること。」と定めています。

また、「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」では、「『十分に外気に開放されている』とはその部分の接する道路または空地と一体の空間を形成し、かつ、常時人の通行が可能な状態のことをいう。ただし、ピロティ部分の周長の相当部分が壁のような風雨を防ぎ得る構造で区画されている場合など十分に外気に開放されていると判断されないときは床面積に算入する」「『屋内的用途に供しない部分』とは、その周囲の相当部分が壁のような風雨を防ぎ得る構造の区画を欠き、かつ、居住、執務、作業、集会、娯楽、物品の陳列、保管または格納その他の屋内的用途を目的としない部分」と定めています。

床面積に算入されないピロティとして扱うためには、「十分に外気に開放されている」、「屋内的用途に供しない部分」の両方の条件を満たす必要があり、ピロティが屋内的用途に供するか否かについては、事前に特定行政庁の判断を確認することが重要です。

床面積に算入されないピロティとして条件が満たされていない事例

共同住宅や事務所ビルに対する遵法性調査を実施した際、床面積に算入されないピロティとして条件が満たされていない事例を確認することがあります。

事例

開放条件を満たしていた部分に目隠しパネルが設置され、十分外気に開放された部分としての条件を満たさなくなっている。

  • 十分外気に開放されていた部分が、開放性のない目隠しパネルで覆われ、外気に開放されなくなったことで、床面積不算入して扱うことができない。
床面積に算入されないピロティとして条件が満たされていない事例の参考画像

ビューローベリタスのサービス

上記でご紹介した事例やその他関連する事例について、ビューローベリタスでは「遵法性調査」を提供しています。既存建物についてご不明な点がございましたら、ぜひご相談ください。
具体的には、建築基準法を基準として建物の現状を精査し、問題点や改善すべき点について調査内容を報告します。現状の建物の法適合性を確認されたい場合は、遵法性調査の依頼をご検討ください。

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