建物のリスクマネジメント~巨大地震にそなえた建物の減災化~

2024年1月1日に甚大な被害を引き起こした能登半島地震に続き、8月8日には最大震度6弱の地震が宮崎県の日向灘沖で発生しました。この地震の発生を受けて、南海トラフ地震の想定震源地域では大地震の発生可能性が高まっていると考えかられたことから、同日気象庁より初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。8月15日には「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は解除されましたが、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではなく、今後40年以内に南海トラフ地震の発生する確率は90%程度とされています。

今回はこの地震発生をふまえて、安全を確保するために提供できるサービスについて2回に分けて解説します。

ビューローベリタスにできること

非構造部材耐震点検

非構造部材とは、建物の骨組みを構成する柱や梁以外の要素で、天井、外壁、窓等が該当します。これらの部材は地震時に損傷を受けやすく、人的被害や二次災害の要因となる可能性があります。
非構造部材点検では以下のような項目を確認します。

  • 天井の落下防止対策
  • 外壁の剥離、脱落防止対策
  • 窓ガラスの飛散防止対策
  • 家具の転倒、移動防止対策
  • 設備機器の固定状況 等

点検の結果に基づき、必要に応じて補強工事や固定措置を行うことで、建物の安全性を高めることができます。特に避難施設となりうるような学校や病院その他の公共施設等に対しては重要な取り組みとなります。

遵法性調査

避難経路調査

建物利用者の安全・安心のために、雑居ビルだけではなくオフィスビルや工場においても、避難経路の確保は建物所有者・管理者の重要な責任です。避難経路調査では、設計図書をもとに現地調査を行い、避難経路に問題点がないか確認をし、結果を報告いたします。

ビューローベリタスの「遵法性調査」サービス

ビューローベリタスでは減災に関するもの以外にもコンプライアンス、増改築、用途変更、建物売買のための状況把握といったニーズに対応した「遵法性調査サービス」を提供しています。
具体的には、建築基準法などの法令やお客様の指定した基準に建物を照らし合わせ、現状を精査し、問題点や改善すべき点について調査内容を報告します。現状の建物の法適合性を確認されたい場合は、遵法性調査の依頼をご検討ください。
次回のコラムでは、地震リスク調査および構造計算書妥当性監査について解説いたします。

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