コラム - 事例で見る遵法性調査(9)―工作物について―

遵法性調査とは、既存建物を建築基準法などの法令やお客様の指定した法令に照らし合わせて適合性を調査する業務です。

企業に求められるコンプライアンスの内容は、建設時や既存建物売買・状況確認時、また労働安全への取り組み時において高度かつ多岐にわたっています。これら全内容を企業が独自に実践するのは容易ではありません。ビューローベリタスは第三者の立場からコンプライアンスに関する基準と実際の運用状況とのギャップを調査し、企業の経営リスクの低減に寄与しています。

「遵法性調査により、不適合箇所の有無、度合い、是正措置の優先度を把握し、コンプライアンス遵守のための計画を策定したい」という、あるビル所有者様からの依頼に基づいてビューローベリタスが実施した遵法性調査の事例を紹介します。

遵法性調査の実施事例

  • 【調査対象】複合用途ビル(主:住宅 副:物販販売店舗)
  • 【経  緯】調査対象建物は地上5階・延べ床面積650㎡の複合用途。
    道路境界線付近の敷地内に、確認申請図書に記載のない独立型の広告塔の設置が確認された。
    建物竣工後に、テナントとして1階部分に入居した店舗が設置したものである。

調査対象建物の概要

  • ・確認申請済証交付日:1987年4月
  • ・延べ床面積:650㎡
  • ・構造:耐火構造
  • ・階数:5階
  • ・用途:主:住宅 副:物販販売店舗
  • ・その他:道路境界線付近の敷地内に独立型の広告塔有

調査結果

広告塔高さを実測した結果約4.5メートルであった。
建築基準法第88条および建築基準法施行令第138条の規定により、高さが4メートルを超える広告塔については工作物確認申請手続きを要するが、当該手続き書類が確認できなかった。

広告塔高さ実測 断面図

ポイント

法的根拠

確認申請手続きを要する工作物とは
(建築基準法第88条第1項~第3項)
煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの 製造施設、貯蔵施設、 遊戯施設等の工作物で政令で指定するもの
政令で指定する工作物とは
(建築基準法施行令第138条の1)
・高さが6mを超える煙突
・高さが15mを超える鉄柱、木柱等
・高さが4mを超える広告塔
・高さが8mを超える高架水槽
・高さが2mを超える擁壁
(建築基準法施行令第138条の2)
・乗用エレベーター又はエスカレーターで観光用施設のためのもの
・ウオーターシユート、コースター等の高架の遊戯施設
・メリーゴーラウンド、観覧車、オクトパス、飛行塔等の回転運動をする遊戯施設
(建築基準法施行令第138条の3)
・ 製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物

対応方法の具体例

依頼者がテナントに対し確認申請手続きの有無について確認したところ、手続きがなされていないことが判明し、広告塔が撤去されました。

⇒ 調査結果に基づき、指摘事項が是正され建築基準法に対し適合な状態が確保されました。

ビューローベリタスのサービス

上記でご紹介した事例やその他関連する事例について、ビューローベリタスでは「遵法性調査」サービスを提供しています。
具体的には、建築基準法・消防法を基準として建物の現状を精査し、問題点や改善すべき点について調査内容を報告します。現状の建物の法適合性を確認されたい場合は、遵法性調査の依頼をご検討ください。
「遵法性調査」以外にも既存建物や工事中の建物に対するさまざまなサービスを提供しております。お気軽にご相談ください。