LEEDとは
米国グリーンビルディング協会(USGBC:US Green Building Council)が開発、および、運用を行なっている建物と敷地利用についての環境性能評価システムです。
建築物と敷地利用の環境性能(省エネと環境)に配慮された優れた建築物を作るため、先導的な取り組みを評価するグリーンビルディングの国際的な認証プログラム(環境性能評価認証システム)です。
LEED認証を取得するためには、備えるべきいくつかの必須条件(Prerequisite)を満たし、選択項目のポイント(Credit Points)を選んで取得することが必要です。
認証には6種類の認証システムがあり、依頼者の目的に合わせ、さまざまなプロジェクトに対し評価システムが用意されています。
- Building Design and Construction/建設設計および建設(BD+C)
- Interior Design and Construction/インテリア設計および建設(ID+C)
- Building Operations and Maintenance/既存ビルの運用とメンテナンス(O+M)
- Neighborhood Development/既存ビルの運用とメンテナンス(ND)
- Homes/ホーム(HOMES)
- Cities and Communities/シティー&コミュニティ
国内のLEED認証案件
不動産へのESG投資が注目されるにつれ、建物の環境認証制度が普及してきました。
なかでもグローバルスタンダードなLEED認証は、世界で90,000件以上の認証実績が報告されており、日本では2023年3月現在、228件の建物でLEED認証が取得されています。
以下は認証を取得した物件の一例です。
日本でのLEED認証案件(2022年5月以降)
No. | プロジェクト名 | 所在地 | ツール | 認証レベル | 用途 | 認証日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | L'Oreal Japan Office 'Beauty Valley' | 東京都 | LEED v4 ID+C: CI | Gold | 事務所 | 2023年3月6日 |
2 | Kuramae UGUISU BLDG certification PJ | 東京都 | LEED v4.1 O+M: EB | Gold | 商業施設 | 2023年2月20日 |
3 | MSD Tokyo HQ Refit,5-9F with ABW concept | 東京都 | LEED v4 ID+C: CI | Silver | 事務所 | 2023年2月10日 |
4 | House of Dior Ginza | 東京都 | LEED v4 ID+C: Retail | Silver | 商業施設 | 2023年1月19日 |
5 | Burberry Kobe Daimaru | 兵庫県 | LEED v4 ID+C: Retail | Gold | 商業施設 | 2023年1月5日 |
6 | Woonerf Tokyo Headquarters | 東京都 | LEED v4.1 O+M: Interiors | Gold | 事務所 | 2022年12月22日 |
7 | S605 PR Osaka Shinsaibashi FS | 大阪府 | LEED v4.1 O+M: Interiors | Gold | 商業施設 | 2022年11月13日 |
8 | DPL Nagareyama IV | 千葉県 | LEED v4 BD+C: WDC | Gold | 倉庫 | 2022年11月6日 |
9 | Burberry Umeda Hankyu Women | 大阪府 | LEED v4 ID+C: Retail | Gold | 商業施設 | 2022年9月30日 |
10 | Burberry Nagoya Mitsukoshi Lachic | 愛知県 | LEED v4 ID+C: Retail | Gold | 商業施設 | 2022年9月27日 |
11 | T-LITE | 東京都 | LEED-CS v2009 | Gold | 商業施設 | 2022年8月24日 |
12 | GLP ALFALINK Sagamihara 3 | 神奈川県 | LEED v4 BD+C: WDC | Gold | 倉庫 | 2022年8月23日 |
13 | Port Plus -Obayashi Yokohama TR Center | 神奈川県 | LEED v4 BD+C: HP | Gold | 宿泊施設 | 2022年8月3日 |
14 | B-Innovation | 東京都 | LEED-NC v2009 | Gold | 研究所 | 2022年7月4日 |
15 | BMW Japan HQ Relocation Project | 東京都 | LEED v4 ID+C: CI | Certified | 事務所 | 2022年5月13日 |
※USGBC ウェブサイト掲載内容よりビューローベリタスにて作成
LEED認証のメリット
LEED認証取得によって不動産オーナーが得られるメリットについて解説します。
LEED認証を取得している建物では以下のメリットが得られると考えます。
- 認証を取得していない建物に比べ、エネルギー消費量や水使用量が少ないためランニングコストが抑えられる。
- 物件オーナーはSDGs、ESG投資に積極的に取り組んでいる姿勢を対外的にアピールすることで企業価値の向上を図れる。
- 上記1、2の理由から認証を取得していない建物と差別化が図れ、テナントリーシング時において優位性が得られる。特に外資系企業は、日本のCASEEではなくグローバルなLEEDを好む傾向があるため、外資系企業の誘致には効果的である。
- 賃貸ビルでは賃料や稼働率が上がることが米国の調査結果で発表されていることもあり、不動産の資産価値を高める効果がある。
- 機関投資家からの資金調達基盤(グリーンボンド等)を強化できる。
- 投資家による企業格付けの指標であるGRESB評価が向上し、株価を押し上げる効果がある。
- 従業員の快適性・満足度向上に繋がり、離職率を抑える効果が狙える。