2022年12月のBV MAGAZINEではWELL認証についてのコンセプトおよび評価項目「Water(水)」について内容を確認しました。
今回は評価項目「Nourishment(食物)」について内容を見てみましょう。
WELL評価項目とポイント
WELL v2 評価項目
分野 | Feature項目 | Parts項目 | ポイント | |||
---|---|---|---|---|---|---|
必須項目数 | 加点項目数 | 必須パート数 | 加点パート数 | 加点パート 総配点数 Feature CAPなし |
最終取得 最大得点 |
|
A:空気 | 4 | 10 | 9 | 16 | 18点 | 100点 |
W:水 | 3 | 6 | 5 | 12 | 14点 | |
N:食物 | 2 | 12 | 5 | 14 | 16点 | |
L:光 | 2 | 7 | 2 | 10 | 18点 | |
V:運動 | 2 | 9 | 6 | 16 | 21点 | |
T:温熱快適性 | 1 | 8 | 2 | 13 | 16点 | |
S:音 | 1 | 8 | 2 | 12 | 18点 | |
X:材料 | 3 | 9 | 8 | 16 | 18点 | |
M:こころ | 2 | 9 | 3 | 17 | 19点 | |
C:コミュニティ | 4 | 14 | 6 | 30 | 39点 | |
I:イノベーション | - | (6) | - | (9) | (10点) | 10点 |
合計1 | 24 | 98 | 48 | 165 | 207点 | 110点 |
合計2 | 122 | 213 |
評価項目「Nourishment(食物)」コンセプト
評価項目「Nourishment(食物)」では、果物や野菜へのアクセスを増やし、高度な加工食品の入手を制限することで、個人がより健康的な選択ができるよう環境設計をし、健康的で持続可能な食事をサポートすることを目的としています。
評価項目の設計
Nourishment(食物)は14項目から構成されています。
NO. | Nourishment(食物) | 必須項目 | 加点項目 |
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N01 | FRUITS AND VEGETABLES(果物と野菜) | ● | |
N02 | NUTRITIONAL TRANSPARENCY(栄養の透明性) | ● | |
N03 | REFINED INGREDIENTS(精製成分) | ● | |
N04 | FOOD ADVERTISING(食品広告) | ● | |
N05 | ARTIFICIAL INGREDIENTS(人工的な原材料) | ● | |
N06 | PORTION SIZES(一人前の分量) | ● | |
N07 | NUTRITION EDUCATION(栄養教育) | ● | |
N08 | MINDFUL EATING(心豊かな食卓) | ● | |
N09 | SPECIAL DIETS(特別食) | ● | |
N10 | FOOD PREPARATION(食品の準備) | ● | |
N11 | RESPONSIBLE FOOD SOURCING(責任のある食品調達) | ● | |
N12 | FOOD PRODUCTION(食品生産) | ● | |
N13 | LOCAL FOOD ENVIRONMENT(地元の食環境) | ● | |
N14 | B RED AND PROCESSED MEATS(β. レッドミートと加工肉) | ● |
評価設定内容
評価内容は「目的」、「要約」、「問題」、「解決策」について記載されています。
いくつかの評価項目の「目的」と「解決策」をご紹介します。
N01 FRUITS AND VESITAVLES(果物と野菜)
目的 | 果物と野菜の入手可能性と入手しやすさを高めることにより、果物と野菜の消費促進をします。 |
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解決策 | 果物と野菜の入手可能性と可視化性の向上、果物と野菜のコストを下げるための価格インセンティブ、コミュニケーションガーデンと都市農業イニシアチブの促進とサポートなどの行動介入。 |
N06 PORTION SIZES(一人前の分量)
目的 | 健康的な分量を奨励し、意図しない過剰摂取と食品廃棄物を減らします。 |
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解決策 | 食事や個人の食品のポーションサイズを小さくすることで、個人の選択を侵害することなく合理的な分量を促進できます。 |
N08 MINDFUL EATING(心豊かな食卓)
目的 | 心豊かな食事行動と共同での食事機会を推奨します。 |
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解決策 | 専用の食事スペースを提供することで、個人が一緒に食事を楽しむようになり、作業場での気が散る食事を防ぎ、より良い食習慣につなげることができます。 |
N10 FOOD PREPARATION(食事の準備)
目的 | 現場で食事を準備するためのスペースと支援設備を提供します。 |
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解決策 | 食器や食品を再加熱するための装置などの支援設備は、個人が自家製の食事を持参・摂取することによる健康的な食習慣を奨励します。 |
上記のように、この項目では建築の仕様や性能ではなく、施設の運用に関連した項目が評価されます。建物に対する環境性能評価では評価しない、健康についての運用面が評価対象となる点で特徴といえるでしょう。
今回は「Nourishment(食物)」について内容を解説いたしました。他のコンセプトについても、随時ご紹介する予定です。