建築物の高さ算定

建築物の高さに算入されない屋上部分と高さの起点について説明いたします。

屋上部分とは、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物(昇降機の昇降ロビー、屋上に設けることが適当な機械室等、時計塔、教会の鐘楼等の塔状部分)の屋上部分を指します。
この屋上部分の水平投影面積が建築面積の1/8以下の場合(以下、「1/8以下の屋上部分」といいます。)、屋上部分を高さ5mまたは12mまで建築物の高さに算入されない場合があります。

建築物の高さの起点も制限によって異なり、前面道路の路面の中心とする場合と、地盤面とする場合および平均地盤面とする場合に分かれます。

前面道路の路面の中心とする場合

  • 道路斜線制限
  • 道路後退緩和

地盤面とする場合

  • 絶対建物高さ制限
  • 隣地斜線制限
  • 北側斜線制限
  • 日影規制の対象建物高さ
  • 高度地区による高さ制限
  • 避雷針設置が必要な建物高さ など

平均地盤面とする場合

  • 日影規制の測定面高さ

制限ごとの建築物の高さの算定方法

① 絶対高さ(法56条1項、2項)
絶対高さは、第1・2低層住居専用地域内の建築物の高さは10mまたは12mのうち、その地域の都市計画で定められた高さに制限する規定。
高さの起点は、地盤面。1/8以下の屋上部分は5mを限度に高さから除外される。

絶対高さ(法56条1項、2項)の説明画像
画像作成:ビューローベリタスジャパン株式会社

② 道路斜線(法56条1項1号)
高さの起点は、前面道路の道路中心の高さ。
道路斜線制限の場合、1/8以下の屋上部分は12mを限度として高さから除外される。

道路斜線(法56条1項1号)の説明画像
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③ 隣地斜線(法56条1項2号)
高さの起点は、地盤面。1/8以下の屋上部分は12mを限度として高さから除外される。

隣地斜線(法56条1項2号)の説明画像
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④ 北側斜線(法56条1項3号)
高さの起点は、地盤面。
道路斜線制限や隣地斜線制限と異なり、絶対高さ制限などの建物高さに算入しない階段室や昇降機械室などの屋上部分も制限を受ける。

北側斜線(法56条1項3号)の説明画像
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⑤ 日影規制(法56条の2)
日影規制の対象となるかどうかの建物高さの起点は、地盤面で、1/8以下の屋上部分は5mを限度として高さから除外される。
日影規制の測定面の高さの起点は計画敷地の平均地盤面。
(平均地盤面:建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面)
屋上部分も日影時間を測定する際の建物部分としてはすべて含める。

日影規制(法56条の2)の説明画像
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⑥ 高度地区(法58条)
高さの起点は、地盤面。北側斜線と同様に、北側からの斜線部分については、階段室や昇降機械室などの屋上部分も制限を受ける。絶対高さによる制限の部分については、1/8以下の屋上部分は12mを限度として高さから除外される。

高度地区(法58条)の説明画像
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⑥ 避雷針設置義務(法33条)
高さの起点は、地盤面。屋上部分も含めて高さを算定する。

避雷針設置義務(法33条)の説明画像
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