コラム - IWBI(国際ウェルビルディング協会)、"Post-COVID19"にむけた「WELL Health-Safety Rating」発表

(更新日:2020年8月17日)

1. はじめに

利用者の健康にフォーカスした建物認証WELL(*1)を開発したIWBI(*2)が、新しい認証システム「WELL Health-Safety Rating」を発表しました。

中華人民共和国・武漢で端を発したコロナウイルスが全世界に蔓延し、私たちの生活に前例のない影響を及ぼしました。日本では、非常事態宣言解除後、オフィス・レストラン・店舗・学校など、閉鎖を余儀なくされた多くの施設は再開し始めていますが、経営者はその安全をどう担保し、施設利用者へ不安なく空間を提供できるのかが、目下の課題ではないでしょうか。

(*1) WELL:全世界62カ国、4,200以上のプロジェクトが登録・認証されている建物健康認証システム。
(*2) IWBI(International WELL Building Institute™ 国際ウェルビルディング協会):2013年に公益法人IWBIが設立され、IWBIとGreen Business Certification Inc.(GBCI)との共同事業によって第三者がWELL認証を運営しています。

2. WELL Health-Safety Rating の目的・狙い

この認証は、組織・会社が、コロナに対するベストプラクティス実践に役立てるために設計されています。取組項目については、公衆衛生の専門家・ウイルス学者・政府関係者・学者・ビジネスリーダー・建築家などで構成されたIWBIタスクフォースにより、エビデンスベースで開発されたものになっています。
取組項目は、既に運営されているWELL認証v2から抜粋された21個で構成されており、最低15個要件を満たすことで認証されます。
認証されるとシールが配布されます。そのシールをエントランスなど多くの利用者が目にできる場所に掲示することで、コロナリスクへの警戒を軽減することを目的としています。
取組項目に応じたポイントはWELL認証v2にも適用できるようになっており、WELL認証のさらなる普及も企図しています。

3. 認証までの流れ

認証までの流れは一般的な認証と同様です。

  1. 取組項目の確認、実現可能性の精査
  2. 登録
  3. 審査資料の提出(オンラインのみ)
  4. 審査
  5. 認証

2~5までの期間はおおよそ3~6カ月程度が見込まれます。WELL認証とは異なり現場審査はなく、あくまでも書類のみの審査となります。

4. 認証費用(申請者が協会へ払う審査代金)

認証費用は、下記のとおりです(IWBI担当者コメントより)。

  • 1プロジェクトあたり4,200USD(どんな規模でも)
  • 10プロジェクト登録で1プロジェクトあたり1,000USD
  • 100プロジェクト登録で1プロジェクトあたり750USD程度

5.WELL Health-Safety Ratingの取組項目概要

取組項目は、新築・既存両方に対応しており、用途についても、スポーツ&エンタテイメント、映画館、ホテル・宿泊施設、レストラン、教育施設、店舗、オフィス、生産施設といった甚大な被害を受けた施設のみならず、他の用途も受け付けているようです。
認証は下の5個のメインテーマそれぞれにある、取組項目合計21個のうち、最低15個要件を満たすことで取得できます(イノベーションを除く)。この認証はWELL認証のような得点での評価ではなく、項目の必須・加点の区別や評価のランク(プラチナ・ゴールド・シルバー)もありません。

参考リンク:取組項目の詳細(英語)

1. 洗浄および消毒手順Cleaning and Sanitization Procedures

  • 手洗いをサポートSupport Handwashing
  • 表面接触を減らすReduce Surface Contact
  • 洗浄方法を改善するImprove Cleaning Practices
  • 優先するクリーニング製品を選択Select Preferred Cleaning Products

2. 緊急事態準備プログラムEmergency Preparedness Programs

  • 緊急時の準備計画を作成するDevelop Emergency Preparedness Plan
  • 事業継続計画の作成Create Business Continuity Plan
  • 健康的な再入国計画Plan for Healthy Re-Entry
  • 緊急リソースを提供するProvide Emergency Resources
  • 緊急時の回復力を強化Bolster Emergency Resilience

3. 保健サービスのリソースHealth Service Resources

  • 病気休暇を提供するProvide Sick Leave
  • 健康上の利点を提供するProvide Health Benefits
  • メンタルヘルスの回復をサポートSupport Mental Health Recovery
  • インフルエンザワクチンを宣伝するPromote Flu Vaccines
  • 禁煙環境を推進するPromote a Smoke-Free Environment

4. 空気および水質管理Air and Water Quality Management

  • 換気を評価するAssess Ventilation
  • 空気処理システムの評価と維持Assess and Maintain Air Treatment Systems
  • レジオネラ管理計画を策定するDevelop Legionella Management Plan
  • 空気と水質の監視Monitor Air and Water Quality
  • カビと湿気の管理Manage Mold and Moisture

5. 利害関係者の関与とコミュニケーションStakeholder Engagement and Communication

  • 健康とウェルネスを促進するPromote Health and Wellness
  • 食品検査情報を共有するShare Food Inspection Information

6. イノベーションInnovation

  • WELL Health-Safetyを革新するInnovate WELL Health-Safety
  • ウェル認定プロフェッショナル(WELL AP)WELL Accredited Professional (WELL AP)

まとめ

建物認証WELLの新しいシステム"WELL Health-Safety Rating"を紹介しました。コロナを含むあらゆる感染症に対し、今後私たちはこれまで以上にリスクに敏感になり多くの対策をとらざるを得なくなります。2021年まで延期になった東京オリンピックにこのシールを入口に張り付けた施設が多く現れるのを期待しています。

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