コラム - 事例で見る遵法性調査(10)―屋内駐車場について―

遵法性調査とは、既存建物を建築基準法などの法令やお客様の指定した法令に照らし合わせて適合性を調査する業務です。

建設時や既存建物売買・状況確認時、また労働安全への取り組み時、企業に求められるコンプライアンスは、高度かつ多岐にわたっています。これら全内容を企業が独自に実践するのは容易ではありません。ビューローベリタスは第三者の立場からコンプライアンスに関する基準と運用状況とのギャップを調査し、企業の経営リスクの低減に寄与しています。

「法適合状況調査により、不適合箇所の有無、是正措置の優先度を把握し、コンプライアンス遵守のための計画を策定したい」という、あるビル所有者からの依頼に基づいてビューローベリタスが実施した遵法性調査の事例を紹介します。

遵法性調査の実施事例

  • 【調査対象】複合用途ビル(主:共同住宅 副:店舗)
  • 【経  緯】調査対象建物は地上5階・延べ床面積1,350㎡の複合用途。
    駐車施設の附置義務については東京都駐車場条例の対象建築物に該当しない規模であった。

調査対象建物の概要

  • 確認申請済証交付日:1990年10月
  • 延べ床面積:1,350㎡
  • 法定構造:耐火建築物
  • 階数:地上5階 地下1階 塔屋1階
  • 用途:主:共同住宅 副:店舗

遵法性調査対象建物

調査結果

駐車場部分に提供資料(確認申請添付図)に記載のない倉庫が設置されていたが、依頼者から倉庫部分についての資料提供がなかったため、行政手続きの経緯が不明であった。
このため、倉庫部分の適合性については判断ができなかった。
自動車車庫の面積は、建築物の延べ面積(延床面積)の5分の1以内であれば、延べ面積には算入されないが、倉庫部分については延べ面積に算入されため、容積率の限度を超えていないかどうか確認が必要となる。                        
駐車場部分(150㎡超)と倉庫部分とは異種用途区画を要するため、倉庫部分の間仕切壁、および建具の仕様について確認が必要となる。

ポイント

法的根拠

規定は以下のとおり

  • 建築物の建築等に関する申請および確認
    建築基準法第6条
  • 床面積の取り扱い
    建築基準法施行令第2条1項の四―イ、同条3項の一
  • 防火区画の取り扱い
    建築基準法第27条、建築基準法施行令第112条18項
  • 駐車施設の附置義務等
    東京都駐車場条例(東京都)、東京都以外の条例

対応方法の具体例

  • 容積率:倉庫部分を容積率に算入しても容積率の限度を超えないことが確認された。
  • 間仕切壁:1時間耐火の耐火構造の壁であることが確認された。
  • 扉:遮煙性能を有する特定防火設備となっていなかったため、扉が交換された。

⇒ 調査結果に基づき、指摘事項が是正され建築基準法に対し適合な状態が確保されました。

ビューローベリタスのサービス

ビューローベリタスでは「遵法性調査」サービスを提供しています。
具体的には、建築基準法・消防法を基準として建物の現状を精査し、問題点や改善すべき点について調査内容を報告します。現状の建物の法適合性を確認されたい場合は、遵法性調査の依頼をご検討ください。
「遵法性調査」以外にも、既存建物や工事中の建物に対するさまざまなサービスを提供しております。お気軽にご相談ください。