CASBEEウェルネスオフィスとは

「CASBEE-ウェルネスオフィス」が、日本国内の認証制度として2019年4月よりリリースされる予定です。本コラムでは特集を組み、3回にわたりCASBEEウェルネスオフィスについて掲載します。

→ CASBEE-ウェルネスオフィス評価認証

CASBEEウェルネスオフィスの開発背景

2006年に国連により打ち出された責任投資原則(PRI)では、"ESGの観点から投資する"ことが、「投資家がとるべき行動」として提唱され、欧米を中心に注目されるようになりました。
また、2015年の国連サミットで2030年を目標に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。このアジェンダの中には、環境、健康・福祉、安全などを含む17のSDGs(持続可能な開発目標)が設定され、ESG/SDGsの観点からの投資が世界的潮流となっています。 日本国内では2016年9月に「未来投資会議」が設置され、2017年6月には「未来投資戦略2017」が閣議決定されました。
これを受けて国土交通省では、「不動産投資市場の成長に向けたアクションプラン」が策定されました。この中で、(1)CRE(企業不動産)、(2)REIT市場、(3)不動産投資家の投資環境、(4)人材育成の4分野で改革を進める方針が示され、上記の「不動産投資家の投資環境」の具体策として、ESG投資の普及促成を視野に入れた不動産評価方法のガイドラインを定めることとなりました。

「働き方改革」の推進が進められている昨今、企業などの取り組みとして特に重要なテーマが「知的労働生産性の向上」です。オフィスビルで働く人々が働きやすく健康で快適に過ごせる環境づくりに関心が高まっています。
ESG投資だけでなく働き方改革の観点からも、健康で快適なビルへの投資拡大が見込まれています。

建物の環境認証に関しては「CASBEE」や「LEED」がありますが、健康で快適なビルに対する認証制度は、2014年にアメリカで「WELL Building Standard(WELL認証)」が開発され、アメリカ・中国をはじめ、世界各国でこの認証制度が急速に広まってきています。日本では認証取得が1件、登録が14件となっています(2019年2月12日現在)。
このようにさまざまな背景から、国内でも快適なビルに対する制度が求められ、一般社団法人日本サステナブル建築協会により「CASBEE-ウェルネスオフィス」が開発されました。

次回は「CASBEE-ウェルネスオフィス」の概要についてお伝えします。

→ CASBEE-ウェルネスオフィス評価認証

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